2019年12月18日水曜日

バンドの方向性(初編)

0.はじめに
 これは筆者がバンドをする上で気付いた内容であり、後世へのメモである。

1 .バンドの方向性の重要度について
 バンドの方向性やイメージは、その後活動を進めていく中で非常に重要である。
方向性やイメージは、バンドの見た目や楽曲、ステージ演出からCDのジャケットデザイン、売り込みの展開の方向性などに非常に大きく関わってくる。
方向性を見誤るとバンドの存続さえ危ぶまれる。

2. どう決めるべきか、進めるべきか
 では方向性はどう決め、どう展開していけば良いか。
またメンバーとどう共有して次の目標にどうつなげていけば良いか。
そしてそれによりリスナーにどういった体験をして貰いたいか、このビジョンがないと方向性は見えてこない。

3. 諸論
 バンドを進める上で何となく方向性を決める事はだれでもやる行為である。
一人で音楽活動をする場合でもバンドで活動する場合でも同じように、たいていのミュージシャンは何となく方向性を決めている。
雲のように曖昧なイメージな事が多いが、初めはそれで十分である。

 そしてある程度楽曲やライブが増えてくる。
すると「こういう方向性にしよう」と言う意見がバラバラに出てくる。
個人の場合は方向性に関する考えがまとまらなくなって来る。
 その後、その方向性に合わせてどうバンド展開していけば良いか分からない、という状態になる。

 さらに人によっては(バンドによっては)無理矢理方向性を決めて進めようとする。最初に決めた時と同じように。ただ、その方向性に関してバンド内に同意しないメンバーがいたら、場合によっては何も決まらず何も進まらず、停止したまま、ネガティブになったままその案は消えていく。場合によってはそれが発端となり解散や活動停止になる。

だからこそ方向性については、どう展開していくかを初めに意識合わせをし、さらに活動していく中でも意識合わせをしないといけない。


4 .意識合わせに関して
 よくあるビジネス本には「まず誰をターゲットにしたいか」を考えなさいと書いてある。これはビジネスをする上では非常に重要であるが、音楽を仲間内と楽しむという見方からは多少ズレている。
より重要な要素は「それが楽しいのか」「面白いと思えるか」である。
趣味でやる音楽においては、何も顧客第一主義である必要はないのだ。
さて前提について語ったので次に意識合わせ方法の具体例について触れたい

5. 3項目
バンドメンバーと意識合わせをするにあたって共有すべき情報とそうでない情報は下記のごとく。

①共有した方が良い項目
 ・バンドがどうありたいか ・何を視聴者に見せる、聞かせるべきか
 ・どうやって実現するか

②時々小出しに共有した方が良い項目
 ・お金
 ・時間
 ・楽曲リソース

③共有しない方がいい項目
 ・ネタや面白み、汚れ役等の度合いはどこまでか
 ・内外の人間関係に関すること
 ・心づもり(決して明かすべきでない)

6.①共有したほうがいい項目
 共有することでバンドの意識を高めたい、というのがこの項目であり目的である。
 どんな方向性にしたいか、男性向けなのか女性向けなのか中高生向けなのか年配者向けなのか、応援してくれそうな人は誰なのか、どんな層に好まれたいのか、その層は何をきっかけにして自分たちの音楽を手にしてくれるのか
そういったことを細かく話し合い共有することが重要である(具体的にどうやって議論を進めるか、ニーズ発掘はどうするかについては和治ビジネス本をひらけば多数書かれているのでここでは割愛する)
 また、それらをどうやって実現していくかを考えることも重要である。
 方法と、計画である。
計画はできれば3ヶ月先くらいまでのやることリストまでに落とし込めると後が楽である。
 もし方法のせいで計画完了日が遅くなるなら、いっそ方法を見直すのも手である。方法や道具は最大限に買う用紙少しでもいいものを少しでも早く作り出すことを考えるべきである。

7.②時々小出しに共有した方が良い項目
 お金と時間と楽曲リソースを後悔すればするほど聞かされたメンバーは疲弊していく、と考えたほうがいい。
 これらは生きていく上でも削り難い現実的な項目であり、メンバーは聞かされた分現実と直面し、魂を削られることになる。
 会計面等はできればあまりバンドメンバーと共有すべきではない。もし共有するなら、気心の知れた友人や身内にとどめておくことである。もちろんバンドにこういった身近な人がいれば何も問題はない。

8.③共有しない方がいい項目
ここに書いたことは共有するべきではない。バンド内外にこの話を聞かされて嬉しい人は一人もおらず、それどころか敵対する相手がいた場合は手の内を相手に明かすことになり、その瞬間それまでの人間関係は保てなくなる。一度この考えを知られてしまえば相手に手の内を見せたも同然、2度と周囲から期待されなくなり、究極に不利になり、相手に付け込まれ、信用は回復せず、永久的に愚者呼ばわりされるのみである。
 だったら初めから黙っている方がいい。
 美輪明宏さんも言っていたが「見ざる聞かざる言わざる。口からは宝石だけを出していればいい」のである。

9.共有すべきタイミングと結果確認について
 やはりいうべきタイミングはいつか、それがどうバンドに影響を及ぼしているかを探ることが重要である。
 言うべきたいタイミングは正直いつでもいいが、できれば相手がリラックスしている時がいい。
 そして結果については項目別に考えるべきである。上記の内面的項目に加えて、どの程度作用しているかを端的に確認するのである。
 さて、確認というと難しそうな気がするが、そうではない。要は相手がとった行動を見ればいいだけである。
 一部の不誠実な人は口先だけとかその場しのぎが多い。そこでこのような見た目で騙されないために重要なのはいった内容ではなく取った行動である。
 共有して計画を立てて、さて相手がとった行動はどうだろう、と観察するのである。
 もし観察した結果何も進んでいないのであればその人間はバンドには不要な人間である。

10.考察
 意識共有に関して上記内容により観察し、必要な条件を十分に満たすメンバーであれば次の計画を立てるべきである。そうでない場合はバンドの存続が困難になるであろう。
であれば方向性の見誤りが原因なので、改めて方向性について協議をするべきである。
 これが次の意識合わせのタイミングとなる。
 
以上がバンドの方向性についての初めの意識合わせに関する内容である。